「栄枯盛衰」
今日は4月第一日曜日、各教会では四旬節第6主日(主のエルサレム入城/主の受難)の礼拝が守られていることだと思います。
そして、今日から受難週、いよいよイエスさまが私たちの罪を贖われるために十字架に向かわれます。
教会の暦では、今は、このような期節を迎えていますが、日本の暦では、4月は、新年度の始まりの季節です。今年は新型コロナウイルスの影響でいつもと様相が異なります。そのような中、先月15日、一つのお店が45年間の営業を終えました。そのお店は、東三河唯一の百貨店であった「ほの国百貨店」。私も一昨年4月にみのり教会に赴任してから、季節ごとに訪れていました。
「ほの国百貨店」は1974年に「豊橋丸栄」として開店しました。名古屋市の老舗百貨店「丸栄」の子会社でしたが、丸栄の経営不振から2010年に投資ファンドに売却され、その後、2012年に東三河地方の古い呼び名「穂の国」にちなんだ「ほの国百貨店」に名称に変更しました。私が40年近く前に、豊橋に来た時には、当時「豊橋丸栄」と呼ばれていた「ほの国百貨店」をはじめ、豊橋駅前には「豊橋西武」があり、また、広小路通りには「ダイエー」と大規模店が連なり、街に溢れる人の多さにさすが愛知県第二の都市と感じていました。
しかし、一昨年、4月、数十年ぶりに訪れた豊橋の街は、その活気がなくなっていました。教会員の方に豊橋は、今は「夜の街」になったとお聞きしまたが、確かに、豊橋駅前は昼間の閑散な様子とは違った光景が広がっています。栄えたり衰えたりを繰り返す人の世のはかなさをいう「栄枯盛衰」という言葉がありますが、まさに、数十年ぶりに訪れた豊橋の街は、まさにこの言葉がぴったりでした。
「栄枯盛衰」、この言葉はヨハネ福音書3章30節「あの方は栄え、わたしは衰えねばならない」とのヨハネの言葉を私に連想させます。洗礼者ヨハネネ。彼は、いつもイエスさまの先駆者としての使命を果たします。この言葉の中に、彼の思いのすべてが凝縮されています。イエスさまの生涯は、十字架への歩みに他ならず、そこに最大の意味があります。そのことのために、自分が立てられ、使命を負っている、と彼は言うのです。ヨハネの言う「あの方が栄え」るとは、イエスさまの十字架の意味が広く受け入れられることです。そして、イエスさまの救いが、多くの人々にもたらされることです。
この受難週迎えた今日、私たちは、このヨハネの言葉を思いながら一人でも多くの人に、この十字架の意味を伝え、救いがもたらされるように祈ることができればと思います。
みのり・岡崎教会 野口勝彦
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