2020年4月26日日曜日

《三遠地区使信 №1100》20200426「泣く人と共に」

「泣く人と共に」

 今月16日、東京都をはじめ7都道府県に出された緊急事態宣言が全国に拡大されました。それに伴い、NHK総合テレビは毎日、画面上に災害時に提供する情報を常時流し続けています。この様相は、今から9年前に発生した東日本大震災時を思い出させます。東日本大震災は、ご存じの通り地震、津波、火災、放射能という四つの災害が一度に東日本を襲いましたが、前者三つは目に見えるもので、その終息も時間経過とともに実感できましたが、目に見えない放射能災害は9年たった今もいつ終息するかが分からない状態です。今回の新型コロナウイルスもこの放射能災害と同様に目に見えない災害です。
 さて、そのような中で先日、一本の電話がありました。それは東日本大震災時に「となりびと」通して、支援を行っていた*特定非営利活動法人子育て支援アシスト・エフワンの代表の方からのもでした。何年かぶりの夜遅くの電話でしたので何かあったのかと心配になりましたが、お話をお伺いすると公益財団法人社会貢献支援財団から社会貢献者表彰を今年の7月5日に受けるというものでした。これは人びとや社会のためにつくされた方を表彰するもので、東日本大震災時からこれまで、やむを得ない事情で一人親になった家庭や震災で変則勤務や単身赴任を余儀なくされた家庭などの支援を通して、育児放棄や虐待を未然に防ぎ、子どもの未来を育てる事を目的として活動してきたことが評価されたものです。そして、今も石巻市において被災児童等を支援するための相談・援助事業として「おがつもっこクラブ」などを行っています。
 「となりびと」では、震災時、この団体に支援品や情報を提供したり、石巻市の仮設団地の集会所などで協働活動を行ったりしていました。今回の電話は、その受賞調査の中で、「となりびと」との協働活動についても報告したので、自分たちだけが表彰されるのは申し訳ないというような趣旨でした。
私はこの電話を受け、一つのみ言葉が心をよぎりました。それは、ローマの信徒への手紙12章15節、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」です。私は「となりびと」の働きは、まさに、このみ言葉の実践だと思っていたからです。そして、お電話をいただいた方は、今も、被災地でこのみ言葉を実践しているのだと。
 現在、新型コロナウイルにより苦しみ、泣いている方々多くいます。私たちもこのみ言葉を心に刻みながら一日も早い感染終息を共に祈ることができればと思います。
*詳しくはhttp://fone.kids.coocan.jp/でご覧ください。
みのり・岡崎教会 野口勝彦


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