2020年8月29日土曜日

20200830《三遠地区使信 №1118》「Wonderful Counselor」

Wonderful Counselor

 今日は8月30日、8月も終わろうとしています。今月9日には、長崎では75回目の平和祈念式典が行われましたが、その中継がはじまる直前にNHKでは「もういちど“長崎の原爆”をみつめる『原爆の絵~それぞれの“8月9日”~』というドキュメンター番組が放送されました。その番組に登場した一人の女性は当時、女学生。勤労動員で長崎市内の三菱兵器工場で被爆し、その後、列車で諫早市内の病院に収容され治療を受けます。ある日、その病室で久しぶりに讃美歌の声を聴きくことになりましたが、その讃美歌は、同級生を天に送り出すための讃美歌でした。今月1日、みのり教会でも、お一人の方を讃美歌で天に送り出しました。
 今年はCOVID-19により特別な年となっていますが、その中でも多くの方が天に召されました。その中で、先月の『るうてる』の中で、去る3月29日、89歳で、天に召された園田剛牧師についての追悼記事https://jelc.or.jp/category/news_lutheran/が掲載されていました。
 園田先生とは、今から15年前、つまり、私が按手を受け、派遣された一つの教会である二日市教会ではじめてお会いました。先生は、当時、二日市教会の牧会委嘱をされていましたが、私の赴任後は、ひと月に一度のペースで、愛車を運転してご夫婦で礼拝に出席してくださいました。先日、奥様からいただいたお手紙には「二日市教会で共に礼拝を守り、(福岡西方)地震のあった(赴任後、最初の)主日等懐かしく思い出されます」と記されていました。ご自宅にも招待してくださり、愛蔵の音楽コレクションを書斎で披露していただき、その際に一冊の手帳を私にお見せしてくださいました。その手帳には信徒の方々のお名前と、その方々に関することが細かな字でぎっしりと書かれていました。
 また、ある年末の日に教会に一本の電話がありました。その電話は、H教会の牧師であった、園田先生に連絡を取りたいというもので、「十数年前に、私はH教会で結婚式を園田先生に挙げていただきました。最近になって、夫婦の関係が悪くなり、離婚も考えたのですが、そんな時、H教会での結婚式での説教が見つかり、主人がそれを読み、結婚式当時のことを思い出して、離婚をせずにすんだので、そのお礼を言いたい」ということでした。
 イザヤ書9章5節には「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる」と記されています。「驚くべき指導者」、英訳聖書では「Wonderful Counselor」と訳されています。『るうてる』の追悼記事の見出しは「真の牧会者、園田剛牧師を偲んで」となっていましたが、先生はまさに「Wonderful Counselor」のお一人でした。今、先生は、牧会委嘱最後の説教題であった「ガリラヤで待つ」のように私たち一人一人を神のみ許で「Wonderful Counselor」として待っておられるのです。
みのり・岡崎教会 野口勝彦







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