2020年5月17日日曜日

《三遠地区使信 №1103》20200517「弁護者」

「弁護者」

    緊急事態宣言が、当初は5月6日までしたが、予測よりも感染者数の減少が少なくいということで、この原稿作成時点(5/10)で、5月末までに延長されました。しかし、連休明けの人出はどこでも、その延長をよそに大幅に増えているようです。
    そのような中、先日、この新型コロナ対策を協議する国会中の発言で「正常性バイアス」という言葉が使われていました。
 「正常性バイアス」とは、ウイキペディアによると「社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと」とされ「自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、『自分は大丈夫』『今回は大丈夫』『まだ大丈夫』などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる」とされています。
    この現象は、東日本大震災でも起きていました。当時、私が「となりびと」で支援をしている時、同じような話を多くの方からお聞きました。それは、地震直後、大津波が襲ってくる最中で、家族だけはとりあえず避難させて、「自分だけは大丈夫だ」と家に残り、津波に流されてしまった人が少なくなかったという話でした。
 今、私たちは、その大震災をはるかに超える世界的な大災害の真っ只中にいますが、自分が新型コロナウイスに感染すると心の底から感じている人はどれくらいいるでしょうか。多くの人が先の津波に流されてしまった人のように「自分だけは大丈夫だ」と思っているかもしれません。そのような私たちにイエスさまは次のように私たちに語りかけてくださいます。
「弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな」(ヨハネ14:26・27)
    宣言解除予定の5月末、すなわち5月31日はペンテコステ、聖霊降臨祭です。神さまが、まさこの日、私たちひとり一人に「弁護者」つまり、「聖霊」を送ってくださり、その宣言から解放してくださることを信じ、私たちは、「正常性バイアス」に陥らず、感染防止に努め、喜びのペンテコステを迎えることができるように祈りたいと思います。        
みのり・岡崎教会牧師 野口勝彦


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