2022年11月7日月曜日

《三遠地区使信 №1232》20221106「希望のスピーチ 」

 今日は、11月の第一日曜日、ルーテル教会では召天者の方々を記念して礼拝が守られます。


 今年も新型コロナウイルスの感染防止のため不自由な生活強いられてきましたが、そのような中、岡崎教会ではコロナによる海外からの渡航制限が緩和された宣教70周年記念礼拝の翌日の1024日、20201124日に日本から遠く離れたタイにて天に召された方の納骨式を礼拝堂の隣にある記念堂で行いました。

そして、その方と同じように、天に召されたお二人の国葬がイギリスと日本で9月に行われました。その一つはエリザベス女王の国葬です。その女王が天に召された日、「女王がサインを送ってくださった」とのニュースが世界に流れました。女王の訃報発表の直後、ロンドン上空に「二重の虹」が出現するこの出来事は、エリザベス女王の容態が懸念されている、との報道後、バッキンガム宮殿に市民が続々と集まるなかで起きました。そのためか、宮殿の門外に居合わせた市民は「女王が、私たちのもとから去った証拠だ」と口を揃え、話していたそうです。エリザベス女王は、亡くなる2日前に新首相のリズ・トラス氏と面会をしていました。天に召される直前まで、君主として職務を全うした女王は、フィリップ殿下にプロポーズを受けたバルモラル城で、息を引き取ったのです。

その女王は生前、数々の危機をスピーチで乗り越えてきました。第二次世界大戦中に14歳で行った初めてのラジオスピーチ。ダイアナ元皇太子妃が亡くなったときの長い沈黙の後のスピーチ。そして、現在のコロナ禍の中でも新型コロナウイルスとの戦いに「きっと成功する」と呼びかけ、感染対策のため他人と距離を置かなければならない「社会的距離」が市民にもたらす「愛する人たちと離れる痛み」は、戦時中に家族と離れなくてはならなかった子どもたちの経験を思わせるとし、「けれども今も当時も私たちは、これが正しいことなのだと、心の奥底で承知しています」と強調しながら、「これからもまだ、色々とこらえなくてはならないかもしれません。それでも、今より良い毎日は戻ってくると、それを心の支えにしましょう。友だちにまた会えます。家族にもまた会えます。みなさん、またお会いします」とそのスピーチを結びました。イギリスでは、自宅待機中の子どもたちが虹の絵を描いて窓に飾っていましたが、女王は、虹の絵はパンデミックに対抗するイギリスの「精神」を象徴するものになるだろうとも語っています。

「虹」はヘブライ語で、弓という意味もあります。 神さまは、人間を滅ぼすために、雨のしずくを射った弓をもう二度と使わないと雲の中に置かれましたが、この言葉は、私たちキリスト者にとって希望の言葉です。女王の数々のスピーチもイギリス国民にとっては「希望のスピーチ」でした。

今年の全聖徒主日は「希望のスピーチ」を語り続けた女王も加え、天に召された方々を覚えて礼拝を守ることができればと思います。みのり・岡崎教会 野口勝彦

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