2021年12月7日火曜日

《三遠地区使信 №1184》20211205 「近づく」

 「近づく」           

先月の19日の夕方から宵にかけて、全国で部分月食が見られましたが、皆さんはご覧になられたでしょうか。月食自体が日本全国で観測でき、さらに食分が最大になる瞬間がどこの地域でも見られる「とても深い月食」は、国立天文台によると1881年12月6日以来実に140年ぶりだったそうです。

先週の福音書の日課には「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである」(ルカ21:25・26)とありましたが、聖書時代の人々は今回のような月食に出会った時、そのように「不安に陥」、「おびえ、恐ろしさのあまり気を失」ってしまっていたのかもしれません。そして、現代に生きる私たちよりも自然の変化に敏感で、み言葉に対しても実感を持って受け取っていたことでしょう。

さて、今日は12月に入って最初の主日です。それは、今年も残り1ケ月を切ったことを意味しています。みのり教会豊橋礼拝所には十字架を掲げた尖塔がありますが、その尖塔の影が、日々、伸びています。それは、冬が近づいている「徴」です。まさに、先のみ言葉、「太陽と月と星に徴が現れる」。そのものの姿がそこにあります。先の福音書の日課には「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる」(ルカ21:29・30)と記されています。尖塔の影は、まさに、「いちじくの木や、ほかのすべての木」「葉」と言えるでしょう。また、その長さは「それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる」と記されている通り、冬が近づいたこと、つまり、クリスマスが近づいたことが分かります。そして、「それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい」(ルカ21:31)とみ言葉は、私たちひとり一人に語りかけるのです。

「神の国」それは、イエスさまが、昨年の教会暦の最後の主日、つまり、聖霊降臨後最終主日(11/21)で「私の国」(ヨハネ18: 36)と言われた国です。その国から、間もなくイエスさまが私たちのもとにやって来られるために、お生まれになるのです。

「そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」(ルカ21:27・28)

私たちは、この時を、喜びを持って迎えられるよう、このアドヴェントの時を過ごすことができるよう祈りたいと思います。

     みのり・岡崎教会 野口勝彦




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