2020年11月26日木曜日

《三遠地区使信 №1130》20201122 「神さまからのエール」

 「神さまからのエール」

新型コロナウイルスの感染、第三波が早くも到来したようです。この原稿作成時点(11/13)で、愛知県内の新規感染者数が4日連続で100人を超えています。

さて、そのような中、NHK連続テレビ小説『エール』も佳境に入ってきました。このドラマのプロデューサーは、このドラマ名について「東日本大震災の被災地・福島をはじめ、日本各地で厳しい暮らしを強いられている方がいます。くじけずにがんばる人に、少しでも元気になってもらいたいという思いから『エール』と名付けました」と語っています。そして、9月14日から再開された番組も11月28日が最終日と、当初終了予定の9月26日から新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、奇しくも今年の教会暦の最終日となりました。そのドラマの中で、『長崎の鐘』が先日取り上げられていました。

『長崎の鐘』は、長崎医科大学(現長崎大学医学部)助教授だった永井博士が原爆爆心地に近い同大学で被爆した時の状況と、重症を負いながら被爆者の救護活動を記録したものです。永井博士は、この時、妻を亡くしています。題名『長崎の鐘』とは、廃墟となった浦上天主堂の煉瓦の中から、壊れずに掘り出された鐘のことです。浦上天主堂、それは、今から3年前の2017年11月23日にカトリック・ルーテル宗教改革500年共同記念礼拝が行われた場所です。カトリック中央協議会のホームページでは「長崎は、キリスト教の弾圧と迫害を経験した町であり、20世紀の世界の悲劇を象徴する被爆地です。受苦と堅忍、信仰と希望と復活の町、長崎。この地を日本のカトリック教会とルーテル教会は、平和を実現する未来への歩みの出発点とします」としています。

ドラマの中では「鐘よ響け」のサブタイトルで次のように描かれました。

『長崎の鐘』原作の映画主題歌制作のため、長崎を訪れた主人公が博士に次のように問われます。「ある若者が、焦土化した長崎と広島を見て、『本当に神はいるのか?』と私に問いかた時、私はその彼に『どん底まで落ちろ』と答えました。あなたにその意味が分かりますか」。主人公はその問いに答えられず、原爆投下直後に博士が被爆者治療に当たった場所を訪れ、その壁に書かれた「どん底に大地あり」という文字を見つけます。そして、博士の妹の「原爆ですべてを失った人たちが瓦礫の中から鐘を掘り起こし、焦土と化した長崎の街に、鐘の音が再び響きわたったとき、その音色が多くの人たちに生きる勇気を与えてくれた」との話を聞き、「希望…ですか」と博士に答えるのです。博士はその答えに気づいた主人公に「希望を持って頑張る人に、エールを送ってくれんですか」と頼み、この場面は終わります。


私たちは来週からイエスさま降誕を待ち望むアドヴェントを迎えます。それは、神さまが、今、コロナ渦に苦しんでいる私たちのために、希望のエールをくださっているしるしなのです。            

 みのり・岡崎教会 野口勝彦


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