《三遠地区使信 №1042》20190317「8年」
「8年」
2011年(平成23年)3月11日(金曜日)14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmを震源とする東北地方太平洋沖地震、いわゆる東日本大震災が発生してから、先週の月曜日で8年を迎えました。この地震の規模はモーメントマグニチュード (Mw) 9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震であり、この地震により、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.1mにも上る巨大な津波が発生し、死者 15897人、行方不明 2534人(2018年12月10日現在:警察庁)の前代未聞の被害を出しました。震災発生後の震災関連死も3701人(2018年12月28日現在:復興庁)に上り、未だに52731人(2019年1月10日現在:復興庁)の方が避難生活を送られています。
みのり教会のある豊橋市ではこの東日本大震災から8年を迎えるにあたり、弔意表明として市内の各施設における半旗掲揚、同報系防災無線を用いて地震発生時刻である14時46分から1分間のサイレンの吹鳴、サイレン吹鳴時の1分間の黙とうが実施されました。
私も8年を迎えるにあたり、先日、東日本大震災ルーテル教会救援派遣牧師時に支援していた方々にお葉書をお書きしお送りしましたが、そのお葉書を書きながら支援先の方々お一人お一人のお顔を思い浮かべながら、その方々が遭遇された被害に思いを寄せました。
あれから8年、私たちにとってはあっという間の8年でしたが、被災された方々にとってはとても長い8年であったことだと思います。昨年の夏、応急仮設住宅から災害公営住宅に移られた被災者の方々を個人的に訪問しましたが、その際に、被災者のお孫さんが私を見て、「この人、誰?」と被災者の方に尋ねていましたが、そのお孫さんは、私が被災地で支援していた時、「つるしびな」を作られる被災者の傍らで泣いていた赤ちゃんでした。その赤ちゃんが、もう小学生になっている現実に遭遇した時、時の経過を改めて実感しました。
8年、それは、赤ちゃんをも大きく成長させる時間です。平成は間もなく終わり、来年は、2020年。いよいよ復興オリンピックを掲げる東京オリンピックが開催される年です。
被災地は、これから、その東京オリンピック開催日を目標に、さらにピッチを上げ、復興に向かっていきますが、私たちは、ローマの信徒への手紙12章15節の「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」のみ言葉の通り、これからも被災地のことを覚えていけるよう共に祈ることができればと思います。
みのり教会牧師 野口勝彦
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