2022年2月28日月曜日

《三遠地区使信 №1196》20220227 「神さまのチョコレート」

 「神さまのチョコレート」        

今月の14日は、世界各地で男女の愛の誓いの日とされるバレンタインデーでした。

バレンタインデーはもともと、269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日であるとされていますが、これは主に西方教会の広がる地域における伝承であり、聖ウァレンティヌスを崇敬する東方正教会の広がる地域では、西欧文化の影響を受けるまでこのような習慣はなかったようです。また、西方教会、つまり、カトリック教会においても、第2バチカン公会議後の典礼改革で、史実の上で実在が明らかでない聖人たちが典礼暦から整理された際に、214日のウァレンティヌスの記念日は取り除かれ、現在、カトリック教会では公式には祝日として祝われてはいません。

現在の日本では、このような伝承とは関係なく、チョコレートを贈る日と認識されています。そのことを象徴するように先日、NHKのテレビ番組『グレーテルのかまど』で「マザー・テレサのチョコレート」が放映されていました。

その番組のホームページには、「1979年ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサ。ヨーロッパに生まれながらインドに渡り、その生涯を貧困にあえぐ人々の救済にささげた。慎み深く厳格な修道生活を送っていたマザーが、手にしたお菓子がチョコレート。特別な日に、貧しい人々にチョコレートを配る姿だった。路上に暮らし、希望を失った人々に、チョコレートとともに愛を伝えたマザー・テレサ」と紹介されています。その番組の中では、1952年にマザー・テレサにより、インドのカルカッタに設立された、貧困や病気で死にそうになっている人の最期を看取るための施設「死を待つ人々の家」で、チョコレートを食べたことがない貧しい人々に、彼女が一人一人にチョコレートを手渡すシーンが放映されていました。

その姿は、まさに、13日の主日の次のみ言葉のイエスさまの姿と重なります。

「イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から、イエスの教えを聞くため、また病気をいやしていただくために来ていた。汚れた霊に悩まされていた人々もいやしていただいた。群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである」(ルカ6:1719)

彼女は、まさに現代のイエスさまだったと言えるかもしれません。その彼女は、生前、「世界中が今、神に飢えています」と言われていました。

私たちも彼女のように今、神に飢えている人々、ひとり一人に神さまの愛に満ちたチョコレートであるみ言葉を手渡すことができるよう、祈りたいと思います。

みのり・岡崎教会 野口勝彦



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