「父と、子と、聖霊」
遂に、国の緊急事態宣言がすべての都道府県で解除されましたが、北九州市では第2波の感染が発生しています(5/31現在)。今回の緊急事態宣言の最中、NHK名古屋では「新美南吉 絵本のおくりも」という番組が放送されていました。そして、この番組について「家で長い時間を過ごす子どもたちへ、NHK名古屋のアナウンサーたちから絵本の朗読のプレゼントです!朗読するのは『ごんぎつね』などで知られる愛知県半田市出身の童話作家、新美南吉(にいみ・なんきち)の作品です。南吉独特の世界感を、朗読と日本画家・鈴木靖将(すずき・やすまさ)さんの絵とのコラボレーションでお送りします。親子で、ご家族で、みなさんそろってお楽しみください」とその内容が紹介されています。
新美南吉、彼は「東の宮沢賢治、西の新美南吉」と言われる日本を代表する童話作家です。私は4年ほど彼の出身地である半田市で働いていたことがあるのでとても身近に感じています。その彼の作品の中で『でんでんむしのかなしみ』と言う作品があります。この作品は「一ぴきのでんでんむしがありました。あるひ、そのでんでんむしは、たいへんなことにきがつきました。『わたしはいままで、うっかりしていたけれど、わたしのせなかのからのなかには、かなしみがいっぱいつまっているではないか。』と始まります。その悲しみを解決するために、彼は友達のところを訪問します。彼の悩みに「あなたばかりではありません。わたしのせなかにも、かなしみはいっぱいです。」と友達たちは答えます。そして、「とうとう、はじめのでんでんむしは、きがつきました。『かなしみは、だれでももっているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしのかなしみを、こらえていかなきゃならない。』そして、このでんでんむしは、もう、なげくのをやめたのであります。」と結ばれています。
しかし、今日の福音書の最後でイエスさまは「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」と私たちに言ってくださいます。それは、先の「かなしみを、こらえていかなきゃならない」でんでんむしとは違います。そして、これこそが私たちの救いであり、福音なのです。
今日は三位一体主日。「父と子と聖霊」が「世の終わりまで、いつも」共に、私たちといてくださることを喜ぶ特別の主日です。その今日、みのり教会では洗礼式が行れます。私たちは授洗の時に「父と、子と、聖霊のみ名によって」という牧師の言葉に、「アーメン」と応えました。それは、この救いを、福音を神さまから受ける喜びへの応答です。私たちはこの救いと福音に、今日、改めて神さまに感謝できればと思います。
みのり・岡崎 野口勝彦
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