2023年3月11日土曜日

《三遠地区使信 №1250》2023012「12年」

 昨日は、東日本大震災発生日です。震災の発生した2011年はうさぎ年、そして、今年、2023年もうさぎ年、つまり、今年は12回目の震災記念日となります。また、トルコ・シリア大地震では東日本大震災の2倍以上の5万人以上の方々が天に召されています。それぞれの被災地の方々を覚えて祈りたいと思います。

さて、私は、先月、3年ぶりに主日のお休みをいただき東京に出かけました。そして、今年1月8日の使信に記した神学生時代にお世話になった保谷教会の礼拝に20年ぶりに出席しました。今年はみのり教会が宣教70周年、岡崎教会が献堂70周年を迎えますが、保谷教会も今年の5月に70周年を迎えます。このような導きから、保谷教会の礼拝に出席することにしました。その礼拝の帰り道、東京滞在中にネットの新聞記事で見つけた、ドキュメント映画「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」*を鑑賞する機会を得ました。

石巻市立大川小学校は、東日本大震災後の津波により児童108名中74名(うち4人行方不明)・教員10名が天に召された学校で、海からは3.7km内陸に位置しており、津波は到達しないと思われていました。しかし、未曽有の地震による大津波は川を遡上し、学校を襲いました。その後、地震後大津波警報が発令され、町が避難を呼びかける中、50分間校庭にとどまり続けたこと、二次避難先が想定されておらずその場で議論を行ったこと、結果的に高い裏山ではなく「橋のたもとの小高い場所」への避難を決めたことなど、事前事後の不適切な対応を含め、多数の問題が明らかになり、子どもたちを失った保護者が、真実を明らかにするために最終的に裁判を起こしました。映画『生きる』は、その裁判までに至る経過と裁判中ののべ10年にわたる映像をまとめたドキュメンタリー映画です。

ルーテル「となりびと」では、この大川小学校のある地域の支援活動も行っていましたので、私は何度となくこの大川小学校を訪問しましたが、今回の映画を通して、知らなかった事実と疑問への回答を12年ぶりに得ることができました。

上映後、監督とプロデューサーによるトークショーが行われ、その中で、子連れで映画を鑑賞した一人の教員の方が映画についての感想をお話しされました。その方は、子どもを持つ親として、子どもを亡くした方の気持ちが痛いほど分かるとお話しされ後、感情が抑えられない様子で、次のように語られました。「でも、現場の先生方は本当に、本当に、毎日一生懸命働かれています・・・」

この大川小学校でも10名の教員の方が天に召されています。その方は、その10名の先生方も一生懸命、子どもたちの命を守ろうとされていのではないかと、訴えられていたように私には感じられました。

現在、大川小学校は震災遺構として整備され、一般公開されています。その目的は「犠牲者の慰霊・追悼の場とするとともに、震災被害の事実や、学校における事前防災と避難の重要性を伝えていくこと」と石巻震災遺構公式ホームページでは紹介されています。

*https://ikiru-okawa                          みのり・岡崎 野口勝彦











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